大正100年館
大正100年館とは
大正100年館の展示風景
大正100年館の展示風景
大正100年館の展示風景
森田吾郎氏が手掛けた初期の大正琴から、最近の大正琴を展示していたコーナーを、大正元年から数えて100年目となる平成23年に「大正100年館~大正琴ものがたり~」と命名し、約300点の古い音楽雑誌や生活道具などの懐かしい品々とともに、大正琴の歴史とそれぞれの時代背景や暮らしぶりをご覧いただけるようになっています。
発明家森田吾郎
大正琴を発明した森田吾郎氏は、大正琴を発明する以前の明治40年頃にヨーロッパの楽器チターをヒントにしたと思われる「陽琴」を発明しました。大衆楽器で音楽を身近にしたいという強い思いとは裏腹に、「陽琴」は調弦や奏法の難しさなどからあまり普及しなかったようです。

木製箱入り「陽琴」(明治40年頃)

ラベルには「元祖長谷川陽琴製作所」と並んで「INVENTOR GORO MORITA (森田吾郎考案)」の文字

様々な絵柄の陽琴

陽琴(柏屋楽器店製)

陽琴(柏屋楽器店製)

陽琴(メーカー不明)

発明当初の大正琴
発明者森田吾郎氏が製造に関わった名古屋木工製作所製の大正琴も多数展示されています。
大正3年に天皇陛下に献上された天覧大正琴(短尺)
大正3年に天皇陛下に献上された天覧大正琴(短尺)
天板には「賜天覧」の文字
天板には「賜天覧」の文字
天覧大正琴(普通尺)の黒塗りタイプ
天覧大正琴(普通尺)の黒塗りタイプ
附属の教本と演奏姿
附属の教本と演奏姿
細工装飾の大正琴
当初は黒塗りが基本の大正琴でしたが、大正琴が生まれた名古屋市大須は木工の街でもありました。その技術を活かし、天板に細工装飾を施した美しい大正琴も数多く作られています。
細工装飾の大正琴
絵入り大正琴
大正7年頃にはブームとともに生産台数が増え、手間のかかる細工装飾は敬遠されて天板には絵が描かれるようになります。
「川口印税済」とラベルに記載された大正琴
「川口印税済」とラベルに記載された大正琴
糸巻きが蝶ネジとなっている大正琴
糸巻きが蝶ネジとなっている大正琴
黒が普通の大正琴で珍しい赤系大正琴
黒が普通の大正琴で珍しい赤系大正琴
大正から昭和初期の教本
大正琴は昔から数字譜を使っていました。独学で習うことが多かった当時は、主旋律のみのシンプルな譜面ですが、ほとんどの教本にピックの持ち方などの奏法も記載され、表紙も年代とともに綺麗な絵が描かれて目を引くようになっていきます。また、昭和初期の教本には通信教育の案内も記載されています。
大正時代の教本
「大正琴獨まなび」大正3年
「大正琴獨まなび」大正5年
(初版大正3年)
「大正琴音譜」大正5年
「大正琴音譜」大正5年

「大正琴教本」大正5年
「大正琴教本」大正5年
(初版本)
「大正琴獨習」大正5年
「大正琴獨習」大正5年
(初版本)

「大正琴の譜」大正8年
「大正琴獨案内」大正6年
(初版大正5年)
「大正琴之譜」大正9年
「大正琴之譜」大正9年
(初版大正5年)

「大正琴獨案内」大正12年(初版大正5年)
「大正琴獨案内」大正12年
(初版大正5年)
「大正琴の譜」大正8年
「大正琴の譜」大正8年

「大正琴弾奏獨稽古」大正9年
「大正琴弾奏獨稽古」大正9年
(初版本)
「大正琴獨案内」大正10年(初版大正8年)
「大正琴獨案内」大正10年
(初版大正8年)
「最新流行歌曲大正琴譜」大正10年頃
「最新流行歌曲大正琴譜」大正10年頃

昭和初期の教本
「和洋合奏曲集」昭和4年
「和洋合奏曲集」昭和4年
(初版本)
「大正琴ジャズ民謡集」昭和4年
「大正琴ジャズ民謡集」昭和4年
(初版本)

大正琴演奏入りレコード
大正琴入「越後獅子」
大正琴入「越後獅子」
大正琴は、発明当時はおもちゃとして扱われていたため、演奏が録音されることがほとんどありませんでしたが、わずかに残っている当時の大正琴レコードは、当時の音色を知る貴重な手掛かりです。
大正時代に演奏された越後獅子を聴いてみる
下記の再生ボタンをクリックして下さい


特殊な大正琴
多弦大正琴
重厚な演奏がしたいとの願いから弦の数が徐々に増え、キーボタンで音階が変わる絃の他に、ボタンが押さえない位置に決まった音に調弦した弦を何本も張り、和音が出せる大正琴も現れました。今では大正琴で合奏する時代になったため、こうした多弦大正琴はほとんど見かけません。
多弦大正琴(12弦)
多弦大正琴(12弦)
多弦大正琴「錦正琴」(9弦)
多弦大正琴「錦正琴」(9弦)
ユニークな大正琴
自由な発想の琴伝流では、昭和50年代から左右が逆転した「左利き用大正琴」や、スライド演奏が楽しめる「スチール大正琴」を開発し、同時期にバイオリンの弓を使って大正琴を演奏する弓奏法も考案しました。平成に入ると三味線の皮を共鳴穴に張りバンジョーに似た音色の「三味線大正琴」や、ミニ大正琴「わらべ」を製造。大正琴の新境地はいつも琴伝流が切り開きます。
左利き用大正琴(左右が逆)
左利き用大正琴(左右が逆)
スライド演奏が楽しめるスチール大正琴
スライド演奏が楽しめるスチール大正琴
和洋折衷の三味線大正琴
和洋折衷の三味線大正琴
ミニ大正琴「わらべ」
ミニ大正琴「わらべ」
昭和琴
当社では初代会長の北林源一郎が昭和40年頃に「昭和琴」という楽器を考案し販売しました。大正琴のような弾き方はもちろん、糸巻き側の足を外してギターのように抱え、天板の向こう側にあるボタンを押さえて弾くこともできるアイデア楽器でした。 この昭和琴製造の数年後から、琴伝流の大正琴の製造・普及活動が始まっています。同じタイプの色違い(赤)が岐阜県恵那市明知町の日本大正村「大正ロマン館」にも所蔵されています。
置いても抱えても演奏できる「昭和琴」
置いても抱えても演奏できる「昭和琴」
天板の反対側にもボタンが付いている
天板の反対側にもボタンが付いている
ギネス社認定世界一大きな大正琴
平成20年4月の大正琴一斉演奏ギネス世界記録挑戦を記念して制作された二人掛かりで演奏する世界一大きな大正琴も展示されています。実際に演奏することも可能で、一斉演奏ギネス世界記録挑戦にも加わりました。こちらは平成20年5月に正式にギネス世界記録として登録されています。
全長2.1mのギネス世界記録認定「世界一大きな大正琴」
全長2.1mのギネス世界記録認定「世界一大きな大正琴」
22世紀の大正琴
大正琴誕生100周年を記念して、平成23年に「22世紀の大正琴~100年後の愛好者のために~」を、公募により決定しました。大正琴アンサンブルの琴伝流らしい4オクターブの音域を3名で演奏できる夢のある大正琴です。
22世紀100年後の大正琴(下は通常のソプラノ大正琴)
22世紀100年後の大正琴(下は通常のソプラノ大正琴)
金箔大正琴
大正琴誕生100周年の平成23年に、金沢の職人の手により大正琴に金箔を施した世界に一つだけの「金箔大正琴」を制作しました。
オール金箔貼りの豪華な「金箔大正琴」
オール金箔貼りの豪華な「金箔大正琴」
ギタースタイル大正琴
平成23年に大正琴誕生100周年を記念して、大正琴の次世代継承と新しい大正琴のスタイルの提唱を図るため結成した若者によるユニット「T-century」(ティー・センチュリー)のために、ギタースタイルの大正琴を制作しました。ストラップを使い大正琴を肩にかけて演奏するスタイルは時々目にしますが、琴伝流では演奏している姿にもこだわり、若者が格好良く大正琴を弾くためにキーボタンの向きを反転させ、ギターと同じ姿勢で演奏できるようになっています。
ギタースタイル大正琴
ギタースタイル大正琴
絆大正琴
東日本大震災復興の願いと、困難を乗り越える時に心の支えとなる大正琴の仲間に感謝する気持ち持ち続けたいとの思いを込め、岩手県陸前高田市の高田松原の被災松を使って平成26年に制作しました。
胴には希望のシンボル「奇跡の一本松」の刻印
胴には希望のシンボル「奇跡の一本松」の刻印
木曽檜・木曽漆大正琴
創業者が楽器産業に身を置くこととなった木曽鈴木バイオリンがあった木曽の地にちなみ、有限会社日本バイオリン研究所大正琴全国普及会が創業60周年となった平成28年に、木曽檜に木曽漆を塗ったメモリアル大正琴を製作しました。檜らしい腰のある包み込むような温かな音色に高級工芸品の要素が加わった価値ある逸品です。
高級感のある深い黒光沢の「真塗り大正琴」
高級感のある深い黒光沢の「真塗り大正琴」
生漆を使い木目を生かした「すり塗り大正琴」
生漆を使い木目を生かした「すり塗り大正琴」
その他の展示物(一例)
その他の展示物(一例)
(展示物は適宜入替えています)
琴伝流本社には大正琴の他にも蓄音機やオルガンなどの音楽関係の品や、懐かしい家電、生活用品、古い雑誌などを展示しています。あなたの家にもきっとあった懐かしいものをご覧になりませんか。
「大正100年館」(入場無料)
営業時間:夏期・年末年始休業を除く平日8:30~16:30(土曜日はお問い合せください)
また、琴伝流では大正時代に製作された古い大正琴や関連商品の買い取りも行っています。詳しくはメール、またはお電話にてお問い合わせ下さい。